現在の仕事を私の天職として、お客様、神様、両親に感謝して業務に励んでいます。学生時代は、今の仕事ではなく飛行機を作るエンジニアか、外国を飛び回る外交官になるのが夢でした。その夢を叶えるために、大学に進学したのですが、父親が心筋梗塞で倒れて家業を継ぐ事になりました。
自分の夢に挫折して継いだ家業の建設業が初めは大嫌いでしたし、神様や両親を恨みました。しかし、仕事を覚えるにつれて、工事が完了してお客様に引き渡すときに「こんなに立派に出来上がってありがとう」とお客様から感謝の言葉をいただき、正直のところ驚きました。
 工事の代金を頂き、工事をさせていただいてちゃんと完了させるのが当たり前なのに、お客様から感謝の言葉を頂けるのですから、こんなに嬉しいことはありません。工事中の疲れもいっぺんに忘れてしまいますし、家業の建設の仕事が楽しくなりました。こんな仕事を与えてくれたお客様、最初は恨みに思った両親、運命を変えた神様に感謝している次第です。
 昨年から始めました、不動産競売の業務は約10年ほど前から行っていました。当時は業務としてではなく、お客様からの相談を受け、安い不動産を取得するお手伝いをサービス業務として行い、改装工事をさせていただいていました。工事を受注して利益を上げられれば良いと考えていましたから、年間に2〜3件程度でした。ずいぶん前から、競売の代理入札を業務として行えないかと考えて、模索し始めましたが、不動産を扱う仕事なので、当時は宅建の資格が必要と考えていました。
 一昨年前の2001年に、競売の代理入札が宅建業の範疇に入らないことが判りました。不動産競売は裁判所と買い受け人との直接売買ですから、仲介には当たらないのです。約10年間の競売入札の経験では何度か痛い目に合いましたので、代理入札を業務として確立するには、お客様に安全確実に希望の不動産を購入できなくては成りません。その「安全確実に希望の不動産を落札する」事を大前提にシステムを作り、昨年の6月の業務開始から、一度のトラブルもなくお客様にお喜びいただいています。この競売代理入札、引渡交渉業務でも買い受けに成功したお客様からも感謝の言葉を頂き、また一つ私の天職が増えて、お客様や神様に感謝しています。
 こんな事を書いていると、私の人生は順風満帆と思われるかも知れませんが、とんでもない、事実は小説よりも奇なりです。私の趣味はモータースポーツが大好き人間です。車が大好きで自分でもレーシングカートでレースもしていました。遊園地にあるゴーカートのレース専用車です。最高速度は120kmくらい出ます。趣味が高じて、レーシングカートの店も始めました。才能のある若者を見つけては全日本選手権などのレース活動をしていました。
一人息子の長男にもレースを教えて、才能があることを見つけてからは、全日本や世界選手権などでも活躍していたのでのめり込んでしまいました。あまりにものめり込み、一時は借金が1億近くにまで増え、バブル崩壊直後には屋台が傾きかけたほどでした。
 家業が立ち直りかけたときの1997年7月に一大事件が起こりました。工事現場の足場から落ちてしまい、一生、車椅子の生活と宣告を受けてしまい、親しかった知人や友人と思っていた人達が去って行き(この時に本当の友人を見極める方法が判りました)、自殺も考えるほどでした。弁護士をしている友人の紹介でリハビリを始め、やっとの事で歩けるようになり現役に復帰することが出来ました。この時から神様を信じるようになりました。高校が西南高校で、バプテストの宗教系でしたが、何処かの宗教を信心しているわけではありません。事故で漠然と神様の存在を信じて、神様に感謝している程度です。本当に人生は、山あり谷ありだなあと思うこの頃です。